筋トレでは昔から、筋肥大=8〜12回と言われることがあります。そのため、「10回できる重さじゃないと筋肉がつかない」と思っている人もいるかもしれません。しかし現在の研究では、筋肉はもっと幅広い回数・重量でも大きくなる

ことが分かっています。初心者なら8〜15回程度を中心にすると扱いやすいですが、それ以外の回数が無意味というわけではありません。

そんなスイッチはありません。

この記事の結論

筋肥大は、低重量〜高重量までかなり幅広い負荷で起こります。研究では、低負荷と高負荷で筋肥大に大きな差がみられない一方、最大筋力の向上では高重量が有利という結果が比較的一貫しています。 (参考文献参照)初心者はまず、

8〜15回程度でフォームを保ってしっかり努力できる重量を中心にすると使いやすいでしょう。

そもそも「8〜12回」とは何?

例えばダンベルプレスで、10回やったらかなりきつい。11回目はできるか怪しい。という重量です。筋肥大トレーニングでは、このような中程度の重量が昔からよく使われてきました。理由は、

  • 十分な筋肉への刺激を与えやすい

  • 高重量ほど関節への負担が大きくない

  • 低重量ほど大量の反復が必要ない

という実用性の高さです。

5回でも筋肉はつく?

つきます。高重量で、5回程度しかできないセットでも筋肥大は起こります。

研究では、高負荷トレーニングと低〜中負荷トレーニングを比較しても、筋肥大について明確な差がみられないことが報告されています。 (参考文献参照)一方、1RMのような最大筋力を伸ばす場合は、高重量の方が有利です。つまり、

強くなることと、大きくなることは完全に同じではないということです。

20回でも筋肉はつく?

こちらも可能です。低重量でも、セットを十分努力して行えば筋肥大は起こります。

低負荷と高負荷を比較したメタ分析では、全筋・筋線維レベルともに筋肥大の差は小さい、または有意差がないという結果が報告されています。 (参考文献参照)

そこまで極端に考える必要はありません。非常に軽い重量ではセット時間が長くなり、

  • 心肺的につらい

  • 痛みに近い疲労感が出る

  • 集中力が切れる

など、実践しにくくなります。

筋肥大できる回数はかなり広い

研究で使われる負荷を大まかに分類すると、

高重量

7回以下程度

中重量

8〜15回程度

低重量

16回以上などがあります。2022年の系統的レビュー・メタ分析では、非常に軽い負荷から高負荷までを比較し、筋肥大について大きな差は確認されませんでした。一方で最大筋力は高負荷ほど有利でした。 (参考文献参照)

だったら何回でもいい?

理論上かなり幅がありますが、実践では目的によって選びます。

5回前後

メリット:

  • 筋力を伸ばしやすい

  • 高重量へ慣れる

デメリット:

  • 関節・腱への負担が大きくなりやすい

  • フォーム習得前の初心者には難しい

8〜15回

メリット:

  • 筋肥大と筋力の両方を狙いやすい

  • セット時間が長すぎない

  • 重量も極端に重くない

初心者には特に使いやすい範囲です。

15〜30回程度

メリット:

  • 軽い重量でも筋肉へ刺激を与えられる

  • 関節への高負荷を避けたい種目に使いやすい

デメリット:

  • セットがかなりきつい

  • 呼吸のつらさが先に来る場合がある

種目によって回数を変えていい

すべての種目を10回に統一する必要はありません。例えば、

スクワット

6〜10回

ダンベルプレス

8〜12回

ラットプルダウン

8〜15回

サイドレイズ

12〜20回

アームカール

10〜15回というように変えられます。大きな複合種目はやや低〜中回数、小さな単関節種目はやや高回数にすると扱いやすい場合があります。

「10回できたら重量アップ」は使いやすい

初心者には、回数範囲を決める方法がおすすめです。例えば、8〜12回と設定します。

1週目

20kg × 8回

2週目

20kg × 9回

3週目

20kg × 11回

4週目

20kg × 12回上限の12回までできたら、22kgへ上げる。22kgでは再び8〜9回程度になる。これを繰り返します。

何回くらい余力を残せばいい?

筋肥大では、セットが十分きついことも重要です。30回できる重量なのに、5回でやめるのであれば刺激はかなり小さくなります。逆に、毎セット完全に限界まで行う必要もありません。初心者なら、「あと1〜3回くらいできそう」

というところで終える方法も扱いやすいでしょう。

高重量と低重量を両方使っていい?

もちろん構いません。例えば胸なら、

ベンチプレス

5〜8回

ダンベルプレス

8〜12回

ケーブルフライ

12〜20回のように組み合わせることもできます。回数帯を変えることで、トレーニングに変化をつけやすくなります。

筋肉によって高回数が向いている?

「遅筋だから高回数」「速筋だから低回数」という単純な分類だけで回数を決める必要はありません。

低負荷と高負荷を比較した筋線維レベルのメタ分析でも、Type I・Type IIともに明確な差は確認されませんでした。 (参考文献参照)

初心者は何回から始める?

迷ったら、8〜12回または8〜15回から始めてください。理由は「この回数しか筋肥大しない」からではありません。単純に、安全性・フォーム・効率のバランスが取りやすいからです。

よくある質問

筋肥大は10回が一番?

10回だけが特別という証拠はありません。

5回でも大きくなる?

はい。高重量でも筋肥大します。

20回でも大きくなる?

十分な努力度があれば可能です。 (参考文献参照)

30回以上は?

非常に高回数でも筋肥大する可能性はありますが、実践上の効率や疲労を考えると多くの種目で必須ではありません。

筋力も筋肉も欲しいなら?

中〜高重量を含める方法が使いやすいです。高重量は特に最大筋力向上で有利です。 (参考文献参照)

まとめ

筋肥大に、「絶対8〜12回」というルールはありません。筋肉はかなり幅広い重量・回数で成長します。初心者ならまず、8〜15回程度を中心にして、重量または回数を少しずつ伸ばしましょう。