ダイエットで目指したいのは、ただ体重を軽くすることではありません。筋トレをしている人なら、できるだけ筋肉を残しながら体脂肪を減らすことが重要です。そのために必要なのは、極端な糖質制限でも、
毎日2時間の有酸素運動でもありません。基本は、
適度なカロリー赤字
+
十分なタンパク質
+
筋トレ
+
継続できる食事
です。
脂肪減少を目的とする食事では、持続的なカロリー赤字が基本になります。ISSNのポジションスタンドでも、幅広い食事法で脂肪減少は可能であり、共通する中心要素は持続的なエネルギー不足だと整理されています。 (参考文献1)
早く落とすことと、筋肉を残して長く続けられることは別です。
この記事の結論
ダイエットでは、
1
TDEEを知る
2
10〜20%程度のカロリー赤字を作る
3
タンパク質を十分摂る
4
脂質を極端に減らさない
5
炭水化物を筋トレの燃料として使う
6
筋トレを継続する
7
7日平均体重で進捗を見る
8
2〜3週間ごとに微調整するという流れで進めます。
STEP1:TDEEを知る
TDEEは、1日の総消費カロリーです。例えば、TDEE=2500kcalなら、1日2500kcal前後食べることで体重が維持される可能性があります。詳しくは、
→ /articles/tdee-calculator-guide/
STEP2:カロリー赤字を作る
体脂肪を減らすには、摂取カロリーをTDEEより少なくします。例えば、TDEE:2500kcal。摂取:2100kcal。なら、約400kcalの赤字です。
どれくらい減らす?
最初は、TDEEの10〜20%程度を一つの目安にできます。TDEE2500kcalなら、
10%減
2250kcal
15%減
約2125kcal
20%減
2000kcalです。
もっと減らせば早く痩せる?
体重は落ちやすくなります。ただし、減量速度が速すぎると、筋肉やトレーニングパフォーマンスの維持が難しくなる可能性があります。
ISSNは、特に体脂肪が少ない人ほどゆっくりした減量の方が除脂肪量を保ちやすいとしています。 (参考文献1)
STEP3:タンパク質を確保する
減量中は、食事量が減るため、タンパク質不足にも注意します。筋トレをしている人なら、まず、1.6〜2.2g/kg/日程度を使いやすい範囲として考えます。
すでにかなり低体脂肪で厳しい減量をしている競技者では、より高い摂取量が検討される場合があります。
体重70kgなら?
1.6g/kg
112g。
2.0g/kg
140g。
2.2g/kg
154g。このくらいです。
タンパク質源
鶏肉
牛赤身
豚ヒレ
魚
卵
ギリシャヨーグルト
豆腐
納豆
プロテイン
など。
STEP4:脂質をゼロにしない
ダイエットでは、脂質を減らすとカロリー調整しやすくなります。でも、脂質ゼロはおすすめしません。脂質は、
細胞膜
必須脂肪酸
脂溶性ビタミン
ホルモン産生
などに関係します。
STEP5:炭水化物も残す
糖質制限をしないと痩せない、というわけではありません。炭水化物は、筋トレのエネルギーとして使えます。特に、
脚トレ
高ボリューム
長時間トレーニング
をする人では、炭水化物を極端に削るとパフォーマンスが落ちる人もいます。
PFCはどう決める?
おすすめは、
P
体重×1.6〜2.2g
F
体重×0.6〜1.0g程度から調整
C
残りのカロリーです。詳しくは、→ /articles/cutting-pfc-balance/
STEP6:筋トレを続ける
減量に入ると、「脂肪を落としたいから筋トレをやめて有酸素運動だけ」にする人もいます。でも、筋肉を残したいなら、筋肉へ刺激を与え続けることが重要です。
減量中も重量を維持する
できる範囲で、トレーニング重量や回数を維持します。例えば、増量時:80kg×10回。減量中:80kg×9〜10回。と維持できているなら、良いサインの一つです。
ボリュームは少し落としてもいい
カロリー赤字では、回復力が落ちることがあります。そのため、重量はなるべく維持しつつ、セット数を多少減らすという方法もあります。
STEP7:体重を測る
毎朝、
起床
トイレ
朝食前
など条件を揃えて測ります。そして、7日平均を見ます。
体重は毎日上下する
昨日:70.0kg。今日:70.7kg。だから、脂肪が700g増えた。という意味ではありません。水分、塩分、炭水化物、食事量などで変動します。
何kgずつ落とす?
実践上は、週0.5〜1.0%程度以下を一つの参考にできます。ただし、低体脂肪の人ほどさらにゆっくり進める方が筋肉維持には有利な可能性があります。 (参考文献1)
STEP8:2〜3週間ごとに調整
例えば、2100kcal。3週間体重がほぼ減らない。なら、
方法A
2000kcal程度へ下げる。または、
方法B
歩数を増やす。など。
歩数を使う
ダイエットで便利なのが、日常の歩行です。いきなり毎日1時間ランニングするより、まず、
エレベーター→階段
近距離を歩く
散歩を追加
などで活動量を増やす方法があります。
有酸素運動は必要?
必須ではありません。食事だけでもカロリー赤字は作れます。ただし、消費カロリーを増やしたい場合には便利です。
有酸素をやりすぎない
例えば、食事を大幅に減らす。さらに、毎日10kmランニング。さらに、筋トレ週6回。となると、回復がかなり厳しくなる可能性があります。
食事は「少なくする」より「入れ替える」
例えば、
Before
唐揚げ弁当
+菓子パン
+ジュース
↓
After
ご飯
+鶏肉
+野菜
+ヨーグルト
のようにすると、食事量を極端に小さくせずカロリーを抑えられます。
エネルギー密度を利用する
低エネルギー密度の食品を使うと、食事の量を確保しながらカロリーを抑えやすくなります。レビューでは、低エネルギー密度の食事が満腹感を高め、エネルギー摂取を減らす助けになることが報告されています。 (参考文献2)
ダイエット向きの食品例
タンパク質
鶏胸
ささみ
赤身肉
白身魚
鮭
卵
ヨーグルト
炭水化物
ご飯
オートミール
じゃがいも
果物
かさを増やす
キャベツ
きのこ
もやし
ブロッコリー
葉物野菜
好きな食べ物は禁止しなくていい
ケーキ、ラーメン、チョコレート。完全禁止する必要はありません。週全体のカロリーと栄養を調整しながら、一部に取り入れる方法もあります。
チートデイは必要?
必須ではありません。「代謝を戻すため絶対必要」というものではありません。ただし、計画的にカロリーを高める日を作ることで心理的に続けやすくなる人はいます。
ダイエットの失敗例
1. 最初からカロリーを下げすぎる
→続かない。
2. タンパク質不足
→筋肉維持に不利。
3. 筋トレをやめる
→筋肉への刺激が減る。
4. 有酸素をやりすぎる
→疲労増加。
5. 毎日の体重で一喜一憂
→水分変動に振り回される。
ダイエットの基本ルート
TDEE計算
↓
減量カロリー設定
↓
PFC設定
↓
食事を作る
↓
筋トレ
↓
毎朝体重測定
↓
7日平均
↓
2〜3週間ごとに調整
です。
よくある質問
糖質制限しないと痩せない?
いいえ。カロリー赤字が基本です。
夜ご飯は食べない方がいい?
時間だけで決める必要はありません。1日の総摂取量を見ましょう。
プロテインは飲んでいい?
もちろん使えます。タンパク質不足を補うのに便利です。
筋トレ後は食べない方が痩せる?
筋肉維持や回復を考えると、必要な栄養を摂る方が合理的です。
まとめ
筋トレをしている人のダイエットは、体重を落とすことだけではなく、筋肉をできるだけ残しながら脂肪を落とすことを目標にします。基本は、
適度なカロリー赤字
+
十分なタンパク質
+
筋トレ
+
体重記録
です。
