筋トレするならタンパク質は1日何g必要?

筋肉をつけたいなら、筋トレと同じくらい気になるのがタンパク質です。「体重×2gって聞いたけど本当?」「100g以上摂らないと筋肉はつかない?」「プロテインを何杯飲めばいい?」

いろいろな情報がありますが、最初に結論を出します。

この記事の結論

筋トレをして筋肉を増やしたい健康な成人なら、1日あたり体重1kgにつき1.6g前後を一つの基準にすると分かりやすいです。例えば、

  • 50kg → 約80g

  • 60kg → 約96g

  • 70kg → 約112g

  • 80kg → 約128g

です。ただし「1.6gを1gでも下回ったら筋肉がつかない」という意味ではありません。

運動をする人についてISSNは、おおむね1.4〜2.0g/kg/日の範囲を、筋肉量の維持・増加に十分な摂取量として提示しています。(参考文献参照)

そんなことはありません。体重、食事量、筋トレ経験、減量中か増量中かなどでも必要量は変わるので、1.6g/kg前後を中心にある程度の幅を持って考えるのが現実的です。

なぜ筋トレするとタンパク質が必要なの?

筋肉を構成している主要な材料の一つがタンパク質です。筋トレをすると筋肉には刺激が加わり、その後の回復過程で筋タンパク質の合成が促されます。

筋トレとタンパク質摂取はそれぞれ筋タンパク質合成を刺激し、組み合わせることで相乗的に作用するとされています。(参考文献参照)かなり単純化すると、筋トレ=「筋肉を強くしよう」という刺激タンパク質=「筋肉を作る材料」です。

どちらか一方だけではなく、筋トレ+栄養+回復を組み合わせることが大切です。

「体重×1.6g」の根拠は?

筋トレとタンパク質についてよく引用される研究の一つが、49研究・1,863人を対象としたメタ分析です。この研究では、筋トレとタンパク質補給を組み合わせることで、筋力や除脂肪量の増加が改善することが確認されました。

さらに解析では、1日あたりの総タンパク質摂取量が約1.6g/kg/日付近を超えると、平均的には除脂肪量増加への追加メリットが小さくなる傾向が示されました。だから、

「筋肥大を狙うなら、とりあえず体重×1.6g前後を目安にする」という考え方がよく使われます。ただしこれは「1.6gが絶対的な上限」という意味でも、「全員にとって完全に最適」という意味でもありません。

体重別:1日のタンパク質量

1.6g/kgを基準にすると、次のようになります。

体重1.6g/kgの場合2.0g/kgの場合
50kg80g100g
55kg88g110g
60kg96g120g
65kg104g130g
70kg112g140g
75kg120g150g
80kg128g160g
90kg144g180g

筋肥大目的なら、まずは1.6g/kg前後を目標にしてみるのがおすすめです。食事内容や生活によって多少前後しても問題ありません。

1日100gって、実際どのくらい?

タンパク質100gというのは、「肉を100g食べる」という意味ではありません。例えば食事全体で考えると、

朝

卵2個
+ヨーグルト
+牛乳

→ 約20g前後

昼

ご飯
+鶏むね肉150g
+野菜

→ 約40g前後

間食

プロテイン→ 約20g

夜

魚100〜150g
+豆腐
+ご飯

→ 約30〜40gこのくらいでも1日100gを超えることがあります。つまり、肉だけで全部摂る必要はありません。魚、卵、乳製品、大豆、穀類などにもタンパク質は含まれます。

1食で全部まとめて摂ってもいい?

1日の総量はかなり重要です。ただし、

朝5g
昼10g
夜100g

のように極端に偏らせるより、複数回に分ける方が実践しやすいでしょう。ISSNは、1回あたりの高品質タンパク質について、約0.25g/kgまたは、20〜40g程度を一般的な目安として示しています。(参考文献参照)

体重70kgなら、70 × 0.25 = 約17.5gですが、食事として考えるなら20〜40g程度に収めると分かりやすいでしょう。

そのように、

朝
昼
トレーニング前後
夜

などへ分散させる方法もあります。ただし、細かい摂取タイミングよりも先に、1日の合計量を確保することを優先しましょう。

プロテインは筋トレ直後じゃないと意味がない?

「筋トレ後30分以内にプロテインを飲まないと筋肉がつかない」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、そこまで厳密に考える必要はありません。

トレーニングとタンパク質摂取を組み合わせること自体は重要ですが、近年の研究では「筋トレ終了直後の短い時間だけが特別」という単純な考え方では説明できません。

2024年に掲載されたネットワークメタ分析でも、タンパク質補給の種類やタイミングによって筋肉量・筋力への影響が検討されていますが、長期的な身体づくりでは総摂取量など複数の要素を合わせて考える必要があります。(参考文献参照)

そのため、トレーニング後に飲めるなら飲む。くらいに考えてOKです。直後に食事をするなら、その食事で十分なタンパク質を摂る方法もあります。

プロテインは何回飲めばいい?

答えは、食事で足りない分だけです。例えば目標が110gで、食事から90g摂れているなら、タンパク質20g程度をプロテインで補えば110gになります。逆に食事だけで120g摂れているなら、

「筋トレしているから絶対プロテインを飲まなければならない」ということはありません。プロテインは、不足しているタンパク質を簡単に補える食品です。薬でも、筋肉増強剤でもありません。

1日2g/kg以上摂った方がもっと筋肉がつく?

ここは誤解されやすい部分です。タンパク質を増やせば増やすほど、それに比例して筋肉が増えるわけではありません。運動をする健康な成人に対してISSNが示している一般的な範囲は1.4〜2.0g/kg/日です。(参考文献参照)

だから筋肥大目的であれば、「とりあえず3g/kg食べよう」と考える必要は通常ありません。タンパク質を増やしすぎることで、

  • 炭水化物

  • 脂質

  • 野菜

  • 果物

など他の食品を食べる余裕が減る可能性もあります。筋トレのパフォーマンスを考えれば、炭水化物なども重要です。

その通りです。筋肉づくりでも、食事全体で考えることが大切です。

減量中はタンパク質を増やした方がいい?

ここは通常の筋肥大期とは少し事情が変わります。摂取カロリーを減らしている時期では、筋肉を維持するためにタンパク質の必要量が高くなる可能性があります。

エネルギー制限中の筋トレ経験者を対象としたレビューでは、除脂肪量あたり2.3〜3.1g/kgという高めの摂取量が提案されています。これは体重1kgあたりではなく、除脂肪量1kgあたりである点に注意が必要です。(参考文献参照)

別のレビューでも、減量期の筋トレ選手では体重1kgあたり約2.2〜3.0g/日という高い範囲が提案されています。(参考文献参照)ただしこれは、筋肉を増やしたい一般的な初心者全員が2.5〜3g/kg摂るべき

という意味ではありません。減量中で、

  • かなり体脂肪が低い

  • 筋トレ経験が長い

  • 大きなカロリー制限をしている

などの条件では必要量が増える可能性がある、という話です。

増量中ならタンパク質を大量に摂る必要はある?

逆に増量中は、十分なエネルギーを摂取できているので、極端にタンパク質量を増やす必要性は下がります。まずは、1.6g/kg前後を中心に食事を作り、

必要なら1.8〜2.0g/kg程度まで調整するくらいで十分考えやすいでしょう。残りのカロリーを炭水化物や脂質へ回すこともできます。筋肥大では、タンパク質だけでなく、筋トレの質と総摂取カロリーも重要です。

タンパク質はどんな食品から摂ればいい?

おすすめは、一つの食品だけに頼らず複数の食品を組み合わせることです。

肉

  • 鶏むね肉

  • 鶏もも肉

  • 豚肉

  • 牛肉

魚介類

  • 鮭

  • サバ

  • タラ

  • マグロ

  • カツオ

  • イカ

  • タコ

  • エビ

卵・乳製品

  • 卵

  • 牛乳

  • ギリシャヨーグルト

  • チーズ

大豆

  • 納豆

  • 豆腐

  • 豆乳

補助食品

  • ホエイプロテイン

  • ソイプロテイン

この中から食べやすいものを組み合わせればOKです。

「朝はタンパク質が少ない」人は意外と多い

例えば、

朝:パン+コーヒー
昼:普通の定食
夜:肉を大量に食べる

という食生活では、1日のタンパク質が夜に偏りやすくなります。朝食を食べる人なら、

  • 卵

  • ヨーグルト

  • 牛乳

  • プロテイン

などを追加すると調整しやすくなります。一方、朝食を食べない食生活なら、昼・間食・夕食などで必要量を確保します。食事回数に絶対的な正解があるわけではありません。

タンパク質量の計算方法

計算は簡単です。

筋肥大を狙う基本

体重 × 1.6例えば体重65kgなら、65 × 1.6= 104gです。体重75kgなら、75 × 1.6= 120gです。

迷ったら「体重×1.6g」から始めよう

そんなときはシンプルに、体重 × 1.6gから始めてください。例えば70kgなら約112gです。その量を、

朝25g
昼30g
間食20g
夜35g

のように分ければ、合計110gになります。これなら特別な食生活ではありません。

よくある質問

タンパク質は体重×2g必要?

必須ではありません。

2.0g/kgは運動をする人に使われる範囲内ですが、筋肥大を目指す人全員が必ず2g/kg摂らなければならないわけではありません。ISSNは1.4〜2.0g/kg/日を一般的な範囲としています。(参考文献参照)

体重70kgなら何g?

1.6g/kgなら、約112g/日です。2.0g/kgなら140gです。まず100〜120g前後から食生活に合わせて調整する方法があります。

一度に50g摂ったら無駄?

「20gを超えたタンパク質は全部無駄になる」という意味ではありません。タンパク質は筋肉以外にも身体のさまざまな用途で使われます。

ただし筋肉づくりという観点では、1日分を一度に集中させるより、20〜40g程度を複数回に分ける方法が実践しやすいでしょう。ISSNでも1回20〜40g程度が一般的な目安として示されています。(参考文献参照)

筋トレしない日もタンパク質は必要?

はい。筋肉の回復は筋トレを終えた瞬間に終了するわけではありません。そのため休養日も極端にタンパク質量を減らす必要はありません。毎日ある程度安定した量を摂る方が管理しやすいでしょう。

プロテインは1日2回飲んでもいい?

食事だけでは必要量に届かない場合には選択肢になります。ただし、「2回飲むこと」自体が目的ではありません。1日の総タンパク質量を補うために必要かどうかで判断しましょう。

まとめ

筋トレで筋肉を増やしたい人のタンパク質量は、1日あたり体重1kgにつき1.6g前後を一つの分かりやすい目安にできます。運動する人に対しては1.4〜2.0g/kg/日という範囲も提示されています。(参考文献参照)

重要なのは、「タンパク質を限界まで増やすこと」ではありません。まず、

  1. 体重×1.6gを計算する

  2. 普段の食事量を確認する

  3. 食事で不足する分をプロテインで補う

  4. 筋トレを継続する

  5. 十分なカロリーを摂る

この順番で考えましょう。

それはちょっと待ちましょう。まずは今日食べているタンパク質量を、一度計算するところからで十分です。

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