増量や減量について調べると、TDEEという言葉をよく見かけます。
「基礎代謝と何が違う?」「TDEEが2500kcalなら2500kcal食べれば太らない?」「筋トレしている日は増える?」結論から言うと、TDEEは、あなたが1日に消費するエネルギー量の合計です。
増量するならTDEEより少し多く食べる。減量するならTDEEより少なく食べる。体重を維持したいならTDEE前後を食べる。これがカロリー管理の基本です。
人の1日の総エネルギー消費は、主に安静時エネルギー消費、身体活動による消費、食事誘発性熱産生から構成されます。(参考文献参照)
違います。日常生活や筋トレでもカロリーを消費するため、実際の1日消費量は基礎代謝より多くなります。
この記事の結論
TDEEは、TDEE=基礎・安静時の消費+活動による消費+食事による消費と考えればOKです。実践では、
RMR/BMRを推定
活動量を加味してTDEEを仮計算
2〜3週間体重を記録
実際の体重変化から補正
という流れがおすすめです。
TDEEとは?
TDEEは、Total Daily Energy Expenditureの略です。日本語では、1日総エネルギー消費量などと呼ばれます。
つまり、寝ているだけでも使うエネルギー
+
歩くエネルギー
+
仕事
+
筋トレ
+
食事の消化
などを全部合わせた数字です。
TDEEを構成するもの
1. 安静時エネルギー消費
生命を維持するために必要なエネルギーです。
呼吸
心臓
脳
体温維持
内臓活動
などに使われます。
2. 身体活動
個人差がかなり大きい部分です。
歩数
立ち仕事
家事
筋トレ
ランニング
スポーツ
など。活動量はTDEEの中でも特に変動しやすい要素です。(参考文献参照)
3. 食事誘発性熱産生
食べ物を、消化
吸収
代謝
するためにもエネルギーを使います。
古典的なレビューでは、食事による熱産生は平均的に1日の消費エネルギーの約10%程度を占めるとされていますが、食事構成などによって変わります。(参考文献参照)
BMR・RMR・TDEEの違い
混乱しやすいので整理します。
BMR
Basal Metabolic Rate基礎代謝量。非常に厳密な条件下で測定する最低限のエネルギー消費。
RMR
Resting Metabolic Rate安静時代謝量。BMRと近い概念ですが、測定条件が少し緩い。
TDEE
1日全部の消費エネルギー。つまり、BMR/RMR < TDEEになります。
TDEEを計算する方法
実践ではまず、RMRを計算して活動量を掛ける方法がよく使われます。代表的な推定式の一つが、Mifflin-St Jeor式です。
Mifflin-St Jeor式
男性:10×体重kg+6.25×身長cm−5×年齢+5女性:10×体重kg+6.25×身長cm−5×年齢−161です。この式は498人の健康な成人データから作られました。(参考文献参照)
計算例
男性。
70kg
175cm
30歳
なら、10×70
+6.25×175
−5×30
+5
=約1649kcal。これが推定RMRです。
でも1649kcalがTDEEではない
ここへ日常生活の活動が加わります。例えば、デスクワーク中心でも、歩いたり、買い物したり、筋トレしたりします。だから実際のTDEEはもっと大きくなります。
活動係数を掛ける方法
よく使われる簡易法では、RMRに活動係数を掛けます。例えば、
ほぼ運動しない
×1.2前後
軽い運動
×1.35〜1.4前後
週3〜5回程度運動
×1.5〜1.6前後
活動量がかなり高い
×1.7以上など。ただし、この係数はかなり大ざっぱです。
70kg男性の例
RMR:1649kcal。活動係数1.55なら、1649×1.55=約2556kcal。推定TDEEは、約2550kcalです。
TDEE計算機はあくまでスタート地点
ここが一番重要です。TDEE計算機で、2556kcalと出ても、実際の消費が正確に2556kcalとは限りません。安静時エネルギー消費の予測式自体にも個人誤差があります。
Mifflin-St Jeor式は比較的よく使われる式ですが、系統的レビューでも個人レベルでは誤差が存在するとされています。(参考文献参照)
一番使えるTDEEは「自分の体重変化」
例えば、毎日平均2500kcal食べる。3週間、平均体重がほぼ同じ。なら、あなたの実際のTDEEは、2500kcal前後である可能性が高いです。これが一番実践的です。
むきまる式TDEE測定法
STEP1
計算式で推定する。例:2500kcal。
STEP2
2週間2500kcal前後を食べる。
STEP3
毎朝体重を測る。
STEP4
7日平均を比較。
STEP5
ほぼ変化なし→2500kcal前後が維持カロリー。
体重が減った場合
2500kcal食べて、体重が減り続ける。なら、実際のTDEEは2500kcalより高い可能性があります。例えば、2700kcal程度かもしれません。
体重が増えた場合
2500kcalで、平均体重が増える。なら、TDEEは2500kcalより低い可能性があります。
筋トレ日はTDEEが上がる?
上がります。ただし、「筋トレしたから今日は+800kcal」のように毎回正確に計算するのは難しいです。運動消費カロリーは、
体重
種目
セット数
休憩時間
運動時間
などで変わります。
休日と筋トレ日で食事を変える?
どちらでも構いません。例えば、
毎日
2700kcal固定でもいいですし、
筋トレ日
2800kcal
休養日
2600kcalとして週平均を合わせても構いません。初心者には、毎日ほぼ同じの方が管理しやすいでしょう。
増量・減量のカロリー設定に活用する
筋肉を増やしたいなら、TDEEより少し多くします。まず、+200〜300kcal程度から始め、平均体重を見て調整する方法があります。
筋肉量を増やす食事は、持続的なエネルギー余剰によって支えられるというのがISSNの基本的な考え方です。(参考文献参照)
減量するなら?
逆にTDEEより少なくします。例えば、TDEE2500kcal。摂取2000〜2200kcal。など。ただし筋肉維持を考えるなら、急激に減らしすぎないことが大切です。
TDEEは変化する
TDEEは固定値ではありません。
例えば、体重が増える
↓
消費も変わる
活動量が減る
↓
TDEEが下がる
仕事が変わる
↓
TDEEが変わる
ということがあります。
1か月ごとに再確認
増量で、65kg
↓
72kg
になれば、最初のTDEEをずっと使い続けるのではなく、再計算・再評価しましょう。
スマートウォッチの消費カロリーは?
参考にはできます。ただし、絶対値として完全に信用するより、同じ機器での変化を見る方が使いやすいでしょう。
よくある質問
TDEEと維持カロリーは同じ?
実践上はほぼ同じ意味で使われます。TDEEと同じだけ食べれば、理論上は体重を維持しやすくなります。
基礎代謝以下で食べれば早く痩せる?
基礎代謝だけを基準に極端にカロリーを下げる方法はおすすめしません。TDEE全体から考えましょう。
筋肉が増えるとTDEEも増える?
除脂肪量は安静時エネルギー消費と関係するため、身体組成の変化によってエネルギー消費も変わります。(参考文献参照)
まとめ
TDEEは、1日に使うカロリー全部です。まず計算式で推定。その後、実際の摂取カロリー+平均体重で補正する。これが一番重要です。
