筋トレをしていると、タンパク質と炭水化物ばかり注目されます。脂質というと、「太るから減らした方がいい」というイメージを持っている人もいます。でも、脂質も身体に必要な栄養素です。完全に避ける必要はありません。

食事の脂質と体脂肪は同じものではありません。

この記事の結論

筋肥大目的でも、脂質を極端に減らさないことが大切です。脂質には、

  • エネルギー

  • 細胞膜の材料

  • 脂溶性ビタミンの吸収

  • ホルモン産生への関与

などがあります。増量期なら、体重1kgあたり0.5〜1.5g/日程度が一つの実践的範囲として、オフシーズンのボディビルダー向けレビューで提案されています。

脂質は1gあたり9kcal

タンパク質と炭水化物は、1g=約4kcal。脂質は、1g=約9kcalです。つまり少ない量でも多くのカロリーを摂れます。食が細い人が増量する際には便利な特徴です。

脂質はホルモンにも関係する

男性を対象に、低脂質食と高脂質食を比較した6研究・206人のメタ分析では、低脂質食で、

  • 総テストステロン

  • 遊離テストステロン

などが低下する結果が報告されています。(参考文献1・2)ただし、研究数は6件と少なく、著者ら自身も追加のランダム化比較試験が必要としています。だから、脂質を食べればテストステロンが上がって筋肉が急増する

と解釈するのは間違いです。

「テストステロンを上げるために脂質大量」は必要ない

重要なのは、脂質不足を避けることです。バターや油を大量に食べれば筋肥大が加速する、という話ではありません。カロリーが増えすぎれば体脂肪も増えます。

脂質を減らしすぎると何が問題?

極端な低脂質食では、

  • 必須脂肪酸

  • 脂溶性ビタミン

  • ホルモン環境

などへの影響を考える必要があります。そのため、減量中でも脂質を完全にカットする必要はありません。

どれくらい摂ればいい?

自然なボディビルダーのオフシーズン栄養レビューでは、0.5〜1.5g/kg/日程度が提案されています。例えば70kgなら、35〜105g。かなり幅があります。実際には、タンパク質と総カロリーを決め、

残りを炭水化物と脂質へ振り分けます。

初心者なら体重×0.8〜1.0g程度でも考えやすい

例えば70kgなら、56〜70g。これくらいなら極端な低脂質にも高脂質にもなりにくく、残りのカロリーを炭水化物へ回しやすくなります。あくまで一つの実践例です。

脂質が多い食品

  • 卵

  • 鮭

  • サバ

  • 牛肉

  • 豚肉

  • チーズ

  • 牛乳

  • ナッツ

  • アボカド

  • オリーブオイル

など。脂質を摂るために、油を直接大量に追加する必要はありません。

魚の脂質も活用

鮭やサバなどの魚なら、タンパク質と脂質を一緒に摂れます。食事のバリエーションも増えます。

ナッツは増量に便利

ナッツは少量でカロリーを追加できます。例えば食が細く、あと200kcal追加したい、というときに使いやすい食品です。ただし食べすぎやすいので量は測りましょう。

卵も便利

卵は、

  • タンパク質

  • 脂質

を含みます。増量中にも使いやすい食品です。

脂質を摂りすぎるとどうなる?

脂質は1g9kcalなので、量が増えると総カロリーが簡単に上がります。例えば、オリーブオイルを、「健康そうだから」と大量に追加すると、カロリー余剰が想定以上に大きくなることがあります。

脂質と炭水化物、どちらを優先?

まずタンパク質と最低限の脂質を確保します。その後、トレーニングパフォーマンスを考えると、残りのカロリーを炭水化物へ十分回すことも重要です。増量だからといって、高脂質・低炭水化物にする必要はありません。

筋トレ前の脂質は?

脂質は消化に時間がかかります。筋トレ直前に、揚げ物などを大量に食べると、胃が重くなる人もいます。その場合は、脂質の多い食事をトレーニング直前からずらしましょう。

筋トレ後の脂質は?

普通の食事に含まれる程度なら、避ける必要はありません。例えば、鮭+ご飯卵+ご飯などで問題ありません。

「良い脂質・悪い脂質」で単純化しすぎない

脂質の質は重要ですが、単純に、

植物油=全部良い
動物脂=全部悪い

という話ではありません。食事全体で、

  • 魚

  • ナッツ

  • 植物油

  • 肉

  • 卵

など複数の食品を使う方が現実的です。

トランス脂肪酸は?

工業的トランス脂肪酸は健康上のメリットがなく、摂取量をできるだけ低くすることが推奨されています。増量のために加工食品だけを大量に食べる必要はありません。

増量中の脂質設定例

体重70kg。

タンパク質

120g
=480kcal

脂質

70g
=630kcal

目標

2800kcal残り:1690kcal。炭水化物なら、約423g。実際には食事に含まれる各栄養素を見ながら調整します。

脂質を減らすべきサイン

例えば、

  • カロリーが高くなりすぎる

  • 揚げ物中心

  • 炭水化物を食べる余裕がない

  • 消化が重い

場合。脂質を少し減らし、炭水化物へ回す方法があります。

脂質を増やすと便利な人

  • 食が細い

  • カロリーが足りない

  • 低脂質になりすぎている

  • 炭水化物だけでは食事量が大きくなりすぎる

人には便利です。

よくある質問

筋トレ中は脂質を減らすべき?

極端に減らす必要はありません。

脂質を食べると体脂肪になる?

脂質だけで決まるわけではありません。長期的には総エネルギー収支が重要です。

テストステロンのために脂質を増やすべき?

極端な低脂質を避けることは合理的ですが、脂質を大量に増やせば筋肉が増えるという根拠にはなりません。低脂質食とテストステロンについてのメタ分析も研究数が限られています。(参考文献1)

まとめ

筋肥大でも、脂質は必要です。重要なのは、

ゼロにしない
+
増やしすぎない

こと。タンパク質を確保し、適度な脂質を摂り、残りのカロリーを炭水化物へ配分すると考えやすいです。